マシン〜日本を支えない人々〜

 

中尾マシン製作所。

茨城の、工作機械を作る小さな会社。

駅前の再開発で東京から移転してきてすぐ、社長が大怪我をしてしまいました。

社長の長男、忠信は、会社を継ぐことを余儀なくされます。

忠信は近くの食堂の手伝いをしていた美輪子と結婚し、

美輪子の協力もあって、中尾マシン製作所の経営は、

新天地で次第に軌道に乗ってゆきました。

忠信にはひとり、弟がいました。

和樹、その当時は大学生でした。

やがて和樹も大学を卒業し、

専務として大口の仕事を取るほどに成長してゆきました。

そんなある日。

中尾マシン製作所の従業員でもある和樹の妻、瀬理奈が、

ちっとも出社してきません。

これが、喧嘩のはじまりでした……。